放射線技師の仕事って将来的に大丈夫?
AIにとって代わられたりしない?
こんにちは、かいりです。
放射線技師の話題で、ときたま挙がる話があります。
AIが進歩することで、将来的に放射線技師の仕事が奪われてしまうのでは?
特に、これから放射線技師を目指したいって考えている方にとっては不安な話題ですよね。
今回は、そんな疑問を解消していきたいと思います。
医療職の中でも、特にモニターと向き合う職種
放射線技師の仕事って、医療系の中でも特にモニターに向かう時間が長い職種です。
何をするにも、機械が無いとそれはもう仕事にならないんですよね。
以前、私の病院では大規模な停電が起こったことがあるのですが、復旧するまで全く仕事になりませんでした。
本当に暇で暇でたまらない時間を過ごしたのですが、それくらい放射線技師って機械を使う仕事しかありません。
そんな機械が無いと仕事にならない放射線技師ですが、AIに支配された未来は果たしてやってくるのでしょうか?
結論:放射線技師の仕事は無くならない
結論から言わせてもらうと、放射線技師の仕事はすぐには無くならないと思います。
実際、放射線技師の仕事には必ず機械を使うのは事実。
それでも、最初の入り口は患者さんとの対話から始まります。
いずれAIで患者さんとの対話もできるんじゃないの?
こんな未来が訪れる可能性も百年先なら分かりません。
しかし、少なくとも世間のコンビニやスーパーがAIによる自動化されたとしても、医療関係の自動化はすぐには無理でしょう。
特に病院なだけあって、患者さんは何かしらの症状(悩み)を抱えているわけです。
耳が聴こえにくい
認知症が進んでいる
本当のことを言っているのか分からない
上記のような患者さんの対応をAIが適切に判断できるとは到底思えません。
誤認証してしまい、本来やるべきではない検査を行ってしまったら、そりゃもう大問題ですよね。
例えば、私の経験談だと、
私「◯◯さんでしょうか?」
相手「はい、そうです。」
といって確認したことがあるのですが、実際全く違う方だったことも。
※私の病院ではネームバンドを手首に付けており、確認は主にそちらで行っています。
ですので、AIによる対人関係が完全なものにならない限りは、放射線技師の仕事は無くなりません。
検査が自動化されたら放射線技師は不要では?
検査の自動化が一番懸念されている部分ではないでしょうか?
しかし、仮に検査が自動化したとしても、放射線技師の仕事は無くならないでしょう。
なぜなら、患者さんのポジショニング(検査の適切な位置合わせ)は人間でないと不可能に近い作業だからです。
患者さんは本当に十人十色で、子供から高齢者まで様々な方がいらっしゃいます。
例えば、腕を挙げなければならない検査も、そもそも腕を挙げることができない患者さんが対象だったりすることも。
足を開くことが前提の検査であっても、足の可動範囲が狭く、撮影不可能な方も中にはいます。
こういった細かい調整は、AIで解決することは現状不可能です。
そんな細かい点を考慮しつつ、適宜最適な撮影方法を選定していくのも、私たち放射線技師の仕事なのです。
AIと共存できる未来はもう来ている
AIに仕事を奪われる?というよりも、AIと共存していこうと考えると幸せになれそうです。
現に、医療メーカーでは装置にAIの技術が採用され始めています。
例えば、放射線を使うCT装置があるのですが、本来は通常のレントゲン撮影と比べて、多大な被ばく量が必要です。
しかし、最近ではAIが最適な被ばく量を調節して、レントゲン撮影の被ばく量とほぼ同じ被ばく量でCT検査を行える仕組みもできているんです。
もしかしたら、将来的にはレントゲン撮影自体が無くなる未来がくるかもですね。
また、技師をアシストしてくれる機能も豊富に登場しています。
スマホも使い勝手が年々良くなって行くように、放射線技師の機械だってソフトウェアのアップデートが進んでいるんです。
よく、こういった機能を見て年配の技師さんは、
「昔は手動でやってた、自動化は甘えだ!」
といった声が挙がったりします。
ですが、正直何が悪いの?便利になって良いじゃんって思うのが私の意見です。
「俺が若い時はもっと大変だったんだぞ」
って職場によくいる、年配のめんどくさい人が言うセリフと近いものを感じてしまいます。
便利なものはどんどん使いましょう、業務効率化は本当に大切ですよ。
仕事が無くなるとしたら、他の仕事も消えているくらい先の話
仮に放射線技師の仕事が完全に無くなる時がきたら、他の業界の仕事が先に無くなる方が早いでしょう。
ですから、仕事が無くなるから将来の選択に放射線技師は辞めとこう...って考えはすごくもったいない。
むしろ、今まで面倒だった作業こそ、文句を言わないAIに任せられるようになるんだとプラスに考えるべきです。
写真を撮影して、それをわざわざ暗室という真っ暗な部屋に持っていき、現像作業を行ってやっと一枚の写真ができていました。
上記はアナログ撮影と言われていましたが、今はデジタル撮影が主流。
なんと、最新の仕組みを使えば撮影ボタン(放射線が出るボタン)を押した瞬間に写真がモニターに表示されるレベルに。
まあ、大変だった時代を生きてきた年配技師さんからすると面白くはないだろうなとは思いますね。
しかし、そういった新しいシステムに適応していくのも、これからの時代において大切だと私は感じています。
今、磨くべき放射線技師のスキルとは
すでにAIが台頭しつつある放射線技師の分野ですが、その中でも、放射線技師が絶対AIに奪われないであろう、または奪われにくいスキルを磨くことが大切です。
例えば、AIでは介入不可能に近い患者さんのポジショニングだったり、技師のスキルによって検査の結果が左右されやすい超音波検査辺りでしょうか。
超音波検査(エコー)は放射線技師しかできない仕事ではないのですが、それでも磨いておいて損のないスキルだと考えます。
- 患者さんに対してデメリットが少ない
- 技量の差が出やすい検査だから
放射線技師の仕事は、基本的には放射線を患者さんに浴びせる仕事なので、被ばくのデメリットは避けられません。
妊婦さんの検査に主に超音波が用いられるのも、デメリットがほとんど無いからです。
また、CTやMRIなどの検査は、技師が違っても良くも悪くも同じような写真が撮れてしまいます。
対して、超音波検査は術者のスキル次第で得られる結果が大きく変わりますし、病院側からも非常に重宝されます。
なので、リスクの分散という意味も含め、放射線技師として超音波検査のスキルを磨くことは、かなり懸命な判断と言えそうです。
放射線技師の仕事がなくなる!?AIに仕事を奪われる未来は来るのか?:まとめ
今回は、放射線技師の仕事は将来的に無くなるのではないか?
そんな不安を解消すべく記事を書きました。
なんなら、日々の業務がAIによってさらに便利になるという明るい未来になりそうです。
日々の業務の中で、ここは自動化できそうだな〜とか、ここは人間じゃないと無理だろうな〜とか考えるだけでも仕事がより楽しくなりますよ。
それでは、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。