放射線技師って就職難なの?
やめとけって言われるのは本当?
こういったお悩みを解決します。
この悩み、過去の私が実際にぶつかったことのある内容です。
- 資格を取るなら別の職種の方が良い
- 学校に行くお金がもったいない
- 就職先が全然無いからやめとけ
放射線技師を目指す際、上記のことを言われる頻度はやたら多いです。
そんなことを言われ続けると、
頑張って放射線技師の資格を取っても、就職先がなかったら意味無いのでは?
というように考えてしまっても不思議ではありません。
ネットを使って検索すると、放射線技師はやめとけと書かれている記事も良くみます。
ですので、本当に放射線技師を目指して大丈夫なのか不安になりますよね。
この記事では、やめとけと言われる理由から就職難についてまでの悩みを一気に払拭します。
この記事を読んでわかること
- 放射線技師はやめとけと言われる理由
- 放射線技師の就職事情
この記事の信頼性
- 筆者は現在6年目の診療放射線技師
- 約300人規模の病院で勤務中
実体験を踏まえて解説します!
放射線技師はやめとけと言われる理由
放射線技師はやめとけと言われる理由は、一体どういったものがあるのでしょうか?
実際の放射線技師視点から、理由を考えていきます。
将来性が無い
放射線技師は安定して働ける強みがありますが、対して給料が上がりにくい背景があります。
医療職全般に言えることなんですが、病院自体の収益が一気に伸びること自体少ないです。
反対に、安定している業界でもあるのですが、結果的に給料が上がりにくいことにつながってしまいます。
放射線技師の場合、国立や県立病院などの国の機関であれば毎年安定した昇給が望めますが、民間病院では特筆したスキルが無い限り高給を得ることは難しいでしょう。
とはいえ、問題なく生活できるだけの安定収入を得られるのは、放射線技師の魅力ではあります。
今後は、AIに取って代わられる職種なのでは?と囁かれたりもしていますが、技師視点で見ると、まだまだそのレベルには達していないと考えています。
理由については、以下の記事で詳しく解説しています。
労働環境が悪い
当直やオンコールがある職種なので、労働環境を指摘される声もあります。
クリニックなどの施設で無い限り、病院には入院している患者様がいるわけで、技師も急変時の体制を整えておかねばなりません。
しかし、当直やオンコールも考え方を変えれば大きな手当に繋がるものです。
実際に、私の病院でもオンコールに対する手当で給与面はかなり変わってきています。
日々の業務については、その病院の診療科目に影響される部分も大きいですが、放射線技師は他の医療職と比べて比較的働きやすいのではと感じています。
放射線技師は辞めるべき?就職難の実態
放射線技師は就職難だという話を割と耳にします。
実際は果たしてどうなんでしょうか?
勤務する場所というのは、田舎か都会かの違いになります。
それでは、田舎・都会2つのパターンの違いを見てみましょう。
地方へ就職したい場合
ぶっちゃけると、地方で就職を狙う人は厳しい未来が待っています。
私は現在九州の田舎で勤務していますが、技師の入れ替わりが非常に少ないのです。
理由は単純で、働きやすいから。
私が実習で行った地元の病院は、先輩技師が4人いました。
その誰もが15年以上勤務している方ばかり。
それに、放射線技師は看護師と比べ必要な人数も少ないです。
ベッドが500床を超えてくるような大病院レベルで、やっと10〜20人程度の技師数になります。
一方、看護師の方は軽く100人は超えるでしょう。
また、田舎は人口が絶対的に少ない傾向があります。
シンプルに患者さんが少なくなるのも、働きやすくなる要因と考えられますね。
都会へ就職したい場合
就職先の病院数自体が増えるため、就職率が上がります。
大手の転職サイトをみてみると、やはり都会ほど放射線技師の募集が多いです。
単純に人口も多いので、放射線技師に限らずだとは思いますが。
また、都会ほど給料のベースも高いです。
都会に行くほど物価が高くなる傾向もありますが、探してみると案外そうでも無い場所もあります。
福岡は九州一の都会なのに、物価が九州の他県とほとんど変わりません。
なんなら、土地代はかなり安いです。
駅前の物件などを避ければ比較的安いアパートなどが結構見つかります。
私は宮崎県の人間ですが、宮崎県の方が福岡県のアパート代に比べ高かったりするので、普通にズルいと思っています。笑
私がもし、今後転職するとしたら、福岡県に絞りますね。
ですので、とにかく就職したい場合は都会を狙うのがオススメです。
田舎に行くほど本当に求人が減る印象ですね…。
どうしても地方に就職したい場合
地方だからといって、必ずしも就職先が全く無いというわけではありません。
また、田舎ほど技師の勤務年数が長い傾向があり、年配の技師が多かったりも。
その場合、後継の技師を育成する必要があるため、募集がかかることがあります。
私も病院でも、そろそろ1人新卒の技師が欲しいねって話にもなっていますね。
こればかりはタイミングですが、期間を決めて田舎の病院で探すのも一つの考え方だと私は思います。
ずっと求人が出ている場合は避けた方が無難
これだけは気をつけてください。
ただでさえ空きが出にくい田舎で、ひたすら求人を出している病院があったりします。
これ、実際私の地域でもあるのですが、数年前からずっと募集をかけている病院を見かけたりするんですよね。
しかし、普通に考えたら数年も人が集まらないなんて怪しさしかありません。
考えられる原因として、
- 給料が明らかに安い
- 休みがほとんど取れない
- とてつもなくヤバい上司がいる
おそらくこの辺りですかね。
募集を発見したからといって、すぐに飛びつかないように十分注意を。
簡単な見つけ方として、求人の掲載日時を確認してみると良いです。
結局、放射線技師は辞めた方がいいのか?
結論、辞める必要は全くありません。
安心して目指せる資格だと、現場の私自身そう感じています。
過去に戻れるとしても、放射線技師を選択しているでしょう。
理由は、医療従事者の中でも特に働きやすいからです。
理由は大きく3つ
- 比較的給料が高い
- 肉体労働が少ない
- 飽きないルーチンワーク
比較的給料が高い
医療従事者の中では、医師がダントツで高級取りで次点で薬剤師。
放射線技師はその次辺りに給料が高いです。
正直、この辺りから看護師や他職種と大きな差は出にくいですが、私が良さを強く感じるのは肉体労働の少なさです。
肉体労働が少ない
基本的に、放射線技師の業務は座って行うことがほとんど。
レントゲン撮影の時は患者さんの補助を行いますが、肉体労働と言えるほどの過酷さはありません。
※整形外科の病院だと肉体労働が増えます。
飽きないルーチンワーク
単純作業が続く仕事はぶっちゃけ飽きます。
目標が無くなってしまうからですね。
放射線技師の業務も、突き詰めれば単純。
特に現代ではコンピュータが進歩しており、誰でも同じような写真を撮ることが出来たりします。
では、なぜ放射線技師の業務は飽きないかと言うと、ルーチンワークの先にある結果が毎回違うからです。
同じ作業でも、患者さんは十人十色。
撮れる写真も様々です。
これが飽きない理由でして、都度勉強する必要がありますし、勉強するほど仕事で重宝される存在となります。
ずっと勉強?めんどくさいな…
すごく分かります。
過去の私も同じく勉強なんてしたくないと思っていました。
しかし、実際に仕事をしてみると勉強の楽しさや必要性に気付かされます。
放射線技師の携わる業務が多岐に渡るので、
「次はあの業務ができるようになりたい」
「今後はこの分野を勉強していきたい」
など、目標や探究心が生まれやすいです。
そこを踏まえても、飽きないルーチンワークは特に大切です。
私なら、こう就職活動をする
放射線技師6年目の私が、学生時代に戻れるとした時に、どう動くかを考えてみました。
- 狙いは都会の中規模病院
- スキル向上を最優先で考える
- 働きながら就職情報を集める
- 田舎の優良病院が空いたら転職(田舎志望なら)
まずは、募集の多い都会を攻めます。
大病院は学力重視+難易度高めですので、私の能力的に中規模病院狙いです。
ゆくゆくの転職時に、基本的なスキルが欠けていると苦戦しますので。
私が就職をやり直すなら、ここはかなり意識しますね。
そして、田舎志望であれば、働きつつ優良病院に飽きが出ないかを定期的にチェック。
ある程度勤務すると、周りの技師仲間からの情報も聞けるようになるでしょう。
その中で、あの病院は働きやすいor働きにくいと言ったネットだけでは聞けないような情報なども入手できます。
最終的に、今働いている場所と天秤にかけた上で判断する感じですね。
私の勤めている病院は、幸いすごく働きやすいので転職は考えていませんが、もし過去に戻れるとしたら上記の流れで動きます。
放射線技師は辞めたほうがいい!?就職難の実態は?【現場技師が解説】:まとめ
- 就職しやすいのは都会
- 就職が難しいのは田舎
田舎は、運要素が強いため就職が難しめです。
- 比較的給料が高い
- 肉体労働が少ない
- 飽きないルーチンワーク
飽きにくい仕事を選ぶのは本当に大切です。
今回は、放射線技師は就職難なのかという話から追って解説しました。
就職活動する上で強く意識して欲しいのは1点。
主要装置を網羅した病院で働くこと。
私の友人で、小さな病院で勤務後に転職活動した際に、できるスキルが少なく非常に苦戦したという話を聞きました。
ですので、最初の勤務先は主要装置を備えた中規模病院以上をぜひ狙ってみてください!
また、就職活動で悩んでいる方は、以下のサイトがとても参考になります。
実際の技師さんが運営されているサイトで、放射線技師を目指せる全学校の学費比較など、放射線技師を目指したい方に目から鱗の内容が網羅されていますよ。