放射線技師って人によって向き不向きはあるの?
結局どんな人が向いているの?
こんな疑問に答えていきます。
どんな仕事にだって、少なからず向き不向きがありますよね。
放射線技師も同様で、向いている人、そうでない人がいるのが事実。
この記事では、診療放射線技師として現場で働いている私の考えを交えつつ、放射線技師に向いている人や適正、必要なスキルを深堀りして解説していきます。
あなたが放射線技師を目指す際のひとつの参考にしてみてください。
- 自分が放射線技師に向いているか
- 放射線技師を選んで失敗しないか
- 放射線技師のおおまかな仕事内容
放射線技師として現場で働いている、私の実体験を交え解説します。
診療放射線技師に向いてる人とは
楽しく、高いモチベを持って仕事を行うには、向いている仕事の方が間違いなく良いです。
以下では、私が仕事を5年間続けた中で、こんな人だったら放射線技師の仕事は楽しめるだろうな〜という特徴について解説していきます。
仕事こそ、楽しんでなんぼですからね。
パソコンを使う仕事が好き
今ではパソコンを使わない仕事の方が少ないですが、その中でも特に放射線技師はパソコンと向き合う仕事です。
そのため、パソコン作業に抵抗があると仕事自体楽しめなくなる可能性があります。
- レントゲン撮影
- CT
- MRI
他にも核医学検査や放射線治療などもありますが、それら全てにパソコン業務が発生します。
事前に検査を行う患者さんの情報をキーボードで入力します。
CTやMRIの場合、パソコンを使って装置を操作していきます。
写真がしっかり撮れたかの確認も、モニターを使って行います。
検査後の画像を、PACS(画像サーバー)へ転送します。
病院によっては、患者さんの情報管理のためにパソコンで集計作業があります。
※当院は、Excelファイルに入力して管理しています。
ですので、逆にパソコンが好きな人には本当に向いている職種なんです。
私自身パソコンを触るのが大好きなので、日頃の作業自体にストレスも少なく放射線技師を選んで良かったと思っています。
思っている以上にPCと向き合うことがほとんどです。
割と几帳面な性格
放射線技師の仕事は、病気を診断する助けとなる画像を作ることです。
例えば一枚の写真を撮る時、まっすぐ正面から写真を撮る場合と斜めの方向から撮る場合では、出来上がる写真は全く変わってきますよね。
実はレントゲンの写真も、全く同じ感覚なんです。
几帳面な性格であれば、本来真っ直ぐ写真を撮るべきところにズレがあると、気になってしょうがないはず(私がそうでした笑)
ですので、几帳面であれば自然と病変の見つけやすい画像を撮れる可能性が上がります。
とはいえ、検査指示を出すのは結局のところ医師です。
- シンプルに見やすい画像か(左右対照に写っているか)
- 検査目的に適した画像か(骨折疑いなら骨が分かりやすい画像)
- 不要なものは写っていないか(ネックレスなどのアクセサリー類)
上記はあくまで一例ですが、基本的にずさんな性格の人には不向きな仕事だと私は感じています。
几帳面な人ほど、ズレの無い画像を撮ってくれる印象が強いですね。
肉体労働はなるべくしたくない
放射線技師は、他の医療職と比べると、肉体労働が圧倒的に少ないです。
肉体労働をなるべくしたくない方は、放射線技師に向いていると言えます。
正直、若いうちであれば多少の肉体労働なら平気かもしれません。
放射線技師は患者さんの写真を撮る時こそ、少なからず肉体労働が発生しますが、それ以外は基本的にパソコンと向かい合う仕事です。
ですので、なるべく肉体労働をしたくない方は、放射線技師の働き方が合っている可能性が高いですね。
医師と対等に話せる分野が欲しい
医師は病院の中でも特別な存在で、やはり憧れの目で見る方も多いです。
ですので、画像の分野に関しては、病院によっては医師と対等に会話を交わすことができます。
実際に私の病院では、医師から画像に関して相談を受けることもあり、頼られていることを実感して嬉しくなることも多いですね。
それに医師も様々な分野に分かれていますので、画像を全く専門としていない、いわば画像を見るのが苦手な医師だっているんです。
そんな医師からすると、画像の理解が深い放射線技師は非常にありがたい存在ですよね。
そういった意味でも、放射線技師はやりがいに溢れる仕事だと感じてます。
医師は画像を見ること以外に他にやることもたくさんありますからね。
「それなり」に患者さんと接したい
患者さんと常に接するのは大変そうだけど、それなりに対人相手の仕事がしたい
そんな方にも放射線技師は向いているでしょう。
大事なのは、「それなり」の部分です。
私も、患者さんとの時間はとても大事な時間だと考えていて、患者さんから学べることは本当に多いです。
しかし、いついかなる時も患者さんのお世話をするとなると、話は別。
患者さんも一人の人間ですので、常に優しい方ばかりとは限りません。
認知症が進み気性の荒い方、乱暴な方、色々な方がいます。
その点、放射線技師が患者さんと関わるのは検査の時のみ。
ですので、患者さんと良くも悪くも深く関わることがありません。
深い付き合いが無いからこそ、より優しく接することができるのだと仕事を通して正直感じている部分ではありますね。
実際、毎日患者さんと接している職種の方々は本当に心から尊敬してます。
仕事の中で暇な時間も欲しい
放射線技師は、基本的に常に慌ただしいような職場ではありません。
あくまで、働く病院次第な部分ではありますが、私の職場は常に忙しくはないです。
放射線技師が携わる検査は、何か異常を疑っているから検査をするのであって、他の職種と違って必ず行うべき作業がありません。
ですので職種の性質上、暇な時間が生まれやすい職種なんです。
しかし、国立病院や大学病院などの大きな病院は、技師の人数も数十人を超えてくるので、現場は常に慌ただしいことが多いです。
対して、私が働いているスタッフ300人規模の病院では、一日中ずっと忙しいわけではありません。
残業も他の職種と比べてほとんどないことも嬉しいメリットですね。
仕事とプライベートを両立させたい方にも、放射線技師はオススメです。
ある程度の余裕は仕事を続けるうえでも本当に大事ですよ。
手当で所得を増やしたい
放射線技師は、ぶっちゃけ給与自体は決して高くはありません。
特に当直手当やオンコール手当は、あなたの所得を大幅に増やしてくれます。
また、放射線取扱主任者や、超音波検査のスキルを身に付ければ、手当が数万円付く病院もあるんです。
頑張りに応じてしっかりと評価してもらいたい方にも、放射線技師は向いていますね。
以下の記事では、私の初任給を参考として記載しています。
良ければ覗いてみてください。
放射線技師に求められるスキル
それでは、次に向き不向きの考え方から一歩進んでみて、実際の現場で求められるスキルはなんなのか、一緒に考えてみましょう。
検査に対する集中力
私が実際に働いて、一番大切だと感じている力です。
なぜかというと、放射線技師の仕事は、少しのミスが命取りとなるからです。
例えば、MRIという検査の場合、金属の持ち込みが禁止されています。
理由は、MRIには超強力な磁石を使っているため、金属を持ち込むと猛烈な勢いで装置にくっついてしまうからです。
一番怖いのは、うっかり金属類を持ち込んでしまい患者さんへ金属が衝突し、怪我を負わせてしまうこと。
ですので、ちょっとしたミスに対するリスクが非常に高い職種なんです。
人間ですので、ケアレスミスは少なからず起こってしまいますからね。
私の職場では、例えばMRIでの金属持ち込みを絶対にさせないよう、以下の対策を行っています。
- チェックリストを作成し、流れに沿って金属が無いか確認
- 実際に金属探知機を体に当てて、金属が無いか確認
- 何も問題なければ、検査開始
少しのミスで重大な事故を招く可能性がある分、ひとつひとつの業務に確実に集中して取り組む、そういったスキルが求められます。
MRIの検査は今でもヒヤヒヤすることが稀にありますね...泣
コミュニケーション力
放射線技師の扱う装置は、大型で威圧感のある装置も多く、患者さんからしたら正直よく分からない怖い装置ばかりです。
その中で、唯一患者さんを安心させてあげられるのは、われわれ放射線技師です。
検査の手順をゆっくり丁寧に説明し、
検査に痛みは全く無いので、安心してくださいね。
といった声かけや、
検査時間は長くて約〇〇分掛かります。
きつい時はすぐにブザーで教えてくださいね。
といった、患者さんの不安を解消できるようなコミュニケーションを取ることが大切です。
実際に私も子供の頃に骨折した際、検査を担当してくれた放射線技師の方がすごく優しく、安心して検査を受けられたことを今でも覚えています。
高齢な方も多いですので、不安を和らげる言葉づかいは常に意識しておきたいですね。
先々の計画を立てる力
放射線技師の業務は、予約済みの患者さんや突然来院される患者さんの対応など、様々なケースで検査を行う可能性があります。
私の働いている病院は、救急車の受け入れも行っているため、突然現場が慌ただしくなることもしばしば。
救急車が30分で到着するなら...今ならそれまでに一人は検査できるかな。
とか
今、検査を入れてしまうと他の検査と重なってしまうから、症状の重い方を優先して検査しよう。
など、時と場合に応じて臨機応変に計画を考えていく力も要求されます。
とはいえ、計画を組み立てる力は働きだしてから十分身に付きます(私は計画を立てるのがとても苦手だったので...笑)
常に考えながら仕事ができる分、単純作業に比べやりがいは大きいですね。
慌ただしい業務をこなした時の達成感も大きいです。
働き方は選ぶ病院に大きく左右される
放射線技師は、他種多様な働き方ができるのも特徴です。
- 大病院
- 中規模病院
- クリニック
- 健診センター
- 医療系メーカー
どこを選ぶかで、忙しさや給与面も大きく変わります。
また、その病院がどんな診療科を扱っているかによっても、仕事内容は変わってくるでしょう。
- 理数科目を取っていなくても、国家試験に合格できるものなの?
-
できます。しかし工夫して勉強する必要があります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
→文系でも放射線技師は目指せるのか?【結論、全く問題なしです】 - 放射線技師って、就職難じゃないの?
-
就職の厳しい場所も確かにあります。
ですので、就職先の選び方を工夫しましょう。
→放射線技師は辞めたほうがいい!?就職難の実態は?【現場技師が解説】 - 国家試験...聞くだけで難しそう...
-
新卒合格率は80%を超える資格です。
しっかり勉強すれば、問題なしです。
→放射線技師の勉強は難しくない話|体験談から解説
診療放射線技師に向いてる人とは?適正・必要なスキルを知ろう:まとめ
内容を簡潔にまとめます。
- パソコンを使う仕事が好き
- 割と几帳面な性格
- 白衣を着たいけど肉体労働は嫌
- 医師と対等に話せる分野が欲しい
- 「それなり」に患者さんと接したい
- 仕事の中で暇な時間も欲しい
- 手当で所得を増やしたい
- 検査に対する集中力
- コミュニケーション力
- 先々の計画を立てる力
記事を読んでみて、放射線技師の仕事があなたに合っていると感じられたら、実際の仕事も楽しめる可能性が高いです。
適正が分かった後は、あなたの近くに通える学校、または通いたい学校があるかを是非調べてみてください。
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