しばいぬ放射線技師の業務拡大ってよく聞くけど、実際どんな仕事が増えたの?採血とか自分にできる気がしない…告示研修も大変そうで不安。
こういったお悩みを解決します。
2021年10月の法改正で放射線技師に静脈路確保や造影剤投与など6つの新業務が追加されました。告示研修1,085分が必須で、実技研修修了率は52.7%(2024年12月時点)。「全員がやる」状況にはまだ届いていないのが現実です。
この記事を読んでわかること
- 2021年法改正で追加された6つの新業務の中身
- 告示研修(基礎700分+実技385分)の内容と最新の修了率
- 現場の実施率・養成校カリキュラムの変化・現役技師のリアルボイス



現役11年目技師+厚労省・JART・各都道府県技師会の公的資料のみで解説します!
放射線技師の業務拡大とは?2021年改正で何が変わったか
まず「業務拡大とは何か」を、感覚ではなく正確に押さえておきましょう。ここを理解しておかないと、研修や養成校カリキュラムの話が全部ブレてしまいます。
きっかけは「医師の働き方改革」とタスクシフト
放射線技師の業務拡大は、医師の働き方改革と一体で進んできた制度変更です。2024年4月から医師の時間外労働に上限規制(年960時間または1,860時間)が適用されることになり、医師がやっていた業務の一部を看護師・臨床検査技師・放射線技師など他職種にシフトする必要が出てきました。これが「タスクシフト/タスクシェア」と呼ばれるものです。
タスクシフト:医師がやっていた業務を他職種に移すこと。
タスクシェア:医師と他職種で分担すること。
業務拡大は「他職種が法的にできることを増やす」ための制度設計で、特に静脈路確保のような侵襲的(針を刺すなど身体への影響がある)行為が論点になりました。
改正法の正式名称と施行日
正式名称は「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第49号)です。長いので「医療法等改正」と略されることが多く、この中で診療放射線技師法も改正されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公布日 | 2021年(令和3年)5月28日 |
| 施行日 | 2021年(令和3年)10月1日 |
| 関連告示 | 厚生労働省告示第273号(告示研修) |
| 養成校カリキュラム適用 | 2022年4月入学者から静脈穿刺等が必修 |
放射線技師にとっての影響は、ざっくりいうと「やれる医行為が一気に増えた」「研修が必須になった」「学生のカリキュラムが変わった」の3つ。次のセクションから具体的に見ていきます。詳しい仕事内容の前提は放射線技師の仕事内容もあわせてどうぞ。



「医師の働き方改革」のために放射線技師の仕事が増えるって、なんかしっくりこないんだよね…。



気持ちはわかります。SNSでは現役技師から「医師が楽になる代わりに技師にしわ寄せ」と捉える声と、「やりがいが増えた」と前向きに捉える声が両方あります。後で具体的に紹介しますね。
法改正で追加された6つの新業務|何ができるようになったか


厚生労働省告示第273号で示された業務拡大の内容は、ざっくり「造影系」「核医学系」「消化管系」「出張超音波」の4カテゴリ・合計6業務です。
追加された6業務の正式リスト
| # | 新業務 | 主な検査 |
|---|---|---|
| ① | 造影剤検査・RI検査のための静脈路確保、抜針・止血 | 造影CT、MRI造影、PET-CT |
| ② | RI検査医薬品注入装置の接続・操作 | 核医学(PET、SPECT) |
| ③ | 動脈路に造影剤注入装置を接続、造影剤投与のため装置を操作 | 血管造影(IVR)、心臓カテ |
| ④ | 下部消化管検査で注入した造影剤・空気を吸引 | 注腸X線、CTコロノグラフィ |
| ⑤ | 上部消化管検査で鼻腔カテーテルから造影剤注入・抜去 | 低緊張性十二指腸造影など |
| ⑥ | 医師指示下での出張超音波検査(病院外) | 訪問診療、健診車両 |
業務拡大で「できないことの境目」も知っておこう
注意したいのは、業務拡大は「無条件で何でもできる」わけではないこと。具体的にできない・条件付きの行為もはっきり線引きされています。
- 動脈路の「確保(穿刺)」自体は不可(接続と造影剤投与のための装置操作のみ可)
- 治療目的の薬剤投与は不可(あくまで検査目的のみ)
- 静脈路抜去後の血管痛・神経損傷など有害事象への医学的判断は不可
- 医師の具体的指示なしで単独実施することは不可
「全部やっていい」ではなく「医師の指示のもと、定められた範囲で実施できる」というのが正確なところ。法的責任は最終的に指示医師にありますが、技師個人の手技ミスがあれば責任は当然問われます。被ばく管理など他の責任との兼ね合いは放射線技師の被ばく管理でも触れています。
主にどのモダリティで影響が大きいか
業務拡大の影響は、モダリティ(検査機器の種類)によって温度差があります。
| モダリティ | 主な影響 | 現場感 |
|---|---|---|
| 造影CT | 静脈路確保・造影剤投与・抜針まで技師完結 | 影響最大 |
| MRI造影 | 同上(ただし造影剤の使用頻度はCTより低い) | 影響大 |
| PET-CT・SPECT | RI医薬品の投与・装置操作が技師でできる | 影響大 |
| 血管造影(IVR) | 動脈の造影剤注入装置操作が拡大 | 影響中 |
| 一般撮影 | 業務拡大の直接的影響はほぼなし | 影響小 |
影響が一番大きいのはCTと核医学(PET/RI)。逆に一般撮影専従なら、業務内容自体はあまり変わりません。
業務拡大に必要な「告示研修」の中身(基礎700分+実技385分)


追加された6業務を実際にやるには、告示研修の修了が必須です。修了しないまま実施すると違法になります。ここがいちばん多い質問なので、丁寧に整理します。
告示研修の構成と時間
動画視聴形式。自宅PC・スマホで好きなタイミングで視聴可能。各章ごとに確認テスト(小テスト)があり、すべて合格しないと修了できません。
都道府県の技師会等が会場で実施。静脈路確保・RI投与・動脈路操作・下部消化管・上部消化管の5項目をシミュレーターで練習します。
修了証は実技研修の約6週間後にJART登録住所へ郵送されます。当日は受講証明書のみ。
受講順は「基礎研修→実技研修」の固定。基礎研修を修了しないと実技研修を申し込めません。
実技研修で実際にやること
- 静脈路確保(採血シミュレーターを使った穿刺練習)
- RI医薬品注入装置の接続・操作
- 動脈路への造影剤注入装置の接続・操作
- 下部消化管検査の造影剤・空気の吸引
- 上部消化管の鼻腔カテーテル挿入と抜去
受講経験者のブログでは「試験はなく、講師が常に巡回してフォローしてくれる」「失敗してもすぐ声かけしてくれて落ち着いて練習できた」「30代の技師が中心で、休憩時間も勉強熱心な雰囲気」といった声が共通して見られます。落第・不合格の制度がないので、出席してきちんと取り組めば修了できる設計です。
受講料と費用負担の実態
| 区分 | 受講料 | 備考 |
|---|---|---|
| JART会員 | 10,000円 | 基礎+実技合計 |
| JART非会員 | 30,000円 | 同上 |
費用負担は施設によってバラバラ。ある業界メディアの調査(29施設対象)では、自己負担が8施設、病院補助が5施設と、半数程度しか会社が出してくれていない実態が報告されています(出典:Radiation Journal「告示研修の現状」)。



2026年3月で受けられなくなるって、間に合わないと一生やれないってこと?



そうなんです。経過措置の期限なので、迷っている方は早めに動くのが安全です。修了しないと業務拡大の6業務を法的に実施できません。
養成校カリキュラムの変化|2022年4月入学者から採血実習が必修
業務拡大の影響は学生にも及びます。2022年4月以降に養成校に入学した人から、新カリキュラムが適用されています。
新カリキュラムで追加された主な内容
- 静脈穿刺(採血を含む)の実習が必修化
- 造影剤投与・抜針・止血のシミュレーション実習
- 救急対応・アナフィラキシー対処の座学・演習
- 医療安全・チーム医療の科目強化
つまり、新カリキュラムを修了した人は卒業時点で業務拡大に対応できる教育を受けたことになるので、原則として告示研修の対象外(2024年4月以降の免許取得者は経過措置不要)。一方で、それ以前に免許を取った既存の技師は告示研修が義務というのが、現在の二層構造です。
学生の不安と養成校のフォロー
採血実習の追加で、学生からは「採血が怖い」「失敗したらどうしよう」という不安の声が増えました。多くの養成校では、センシティブ®などの採血練習キットを使って、本物の患者さんに刺す前にゴム模型で繰り返し練習する流れになっています。
SNSやQ&Aサイトでは、新カリキュラム入学者から「採血実習が必修化されると聞いて志望校変えるか悩んだ」「血を見るのは平気だけど、人に刺すのは怖い」「先輩世代がやってないのに自分はやらされるのモヤモヤする」といった不安の声が見られます。一方で、看護学生のSNSと比較すると相談数は少なく、養成校側のシミュレーター完備で「思ったより緊張しなかった」「最初の1回は震えたけど数回でマシになった」という乗り越え系の声も多めです。
志望校選びで採血の有無を気にしている人は放射線技師の養成校(大学・専門学校)の選び方と放射線技師は難しい?の記事もあわせてどうぞ。
現場のリアル|実施率・施設差・現役技師の本音
「法律が変わった=全員がやっている」ではないのが業務拡大のリアル。データを見ると、告示研修を修了しても実際に業務として実施している施設は限定的だとはっきり出ています。
告示研修の修了率は半分強(2024年12月時点)
| 項目 | 人数 | 修了率 |
|---|---|---|
| 告示研修申込者数 | 41,861名 | 73.6% |
| 基礎研修修了者数 | 36,613名 | 64.4% |
| 実技研修修了者数 | 29,934名 | 52.7% |
申込みは7割超なのに、実技まで修了しているのは半数強。法改正から3年経ってもこの数字なので、「全員が業務拡大に対応している状態」にはまだ程遠いのが現実です。
業務として実施している施設はもっと少ない
研修を修了しても、実際に業務で実施するかは別問題。地方技師会のアンケートでは、業務として実施している施設は1〜3割程度に留まっています。
| 業務 | 実施施設の割合 |
|---|---|
| 動脈路への造影剤注入装置の接続・操作 | 33% |
| RI検査関連業務 | 22% |
| 静脈路確保・抜針 | 21% |
| 下部消化管検査の吸引 | 16% |
なぜ実施率が低い?現役技師の本音
SNSやQ&Aサイトでは、現役技師から「造影の検査数が少なくて、看護師にお願いしたほうが早い」「人員的に研修参加自体が難しい」「研修したけど実際に業務に組み込まれていない」「失敗したら誰が責任取るのかが曖昧で踏み出せない」といった声が共通して挙がっています。「やりたくない」というより「やる体制が整っていない」が実態に近いです。
看護師側からも「技師がIV確保技術を身につけてくれるのは心強い」「件数が多い日は本当に助かる」という歓迎の声がある一方、医師サイドからは「読影中断が減って助かる」「ただし技師に負担が集中しないか心配」という両面の意見が報告されています(出典:JCHO「タスクシフト・シェアの取り組み」)。
実施率が高い施設の特徴
- 大学病院・大規模病院(看護師人手不足が顕著)
- 造影CT・PET-CTの検査数が多い施設
- 診療科横断的な医療安全委員会が機能している施設
- 放射線科医師がタスクシフトに積極的
- JCHO・公的病院など制度設計が整っている施設
逆に「中小民間病院でクリニック寄り」の施設では、看護師との分担が既に成立しているケースが多く、わざわざ業務拡大に踏み込む合理性が薄め。クリニック勤務では業務拡大の影響はかなり限定的です。
業務拡大のメリット・デメリット|給料・責任・キャリアの本音


「業務拡大は技師にとって良いことなのか」は、立場によって答えが分かれます。フラットに整理しておきましょう。
メリット:キャリア・やりがい・市場価値
- 技師完結で検査が回せるので、待ち時間が減って患者にメリット大
- スキルの幅が広がり、転職時の市場価値が上がる
- 医師・看護師との連携が密になり、チーム医療の中心に近づく
- 核医学・造影CT・IVR等の専門領域でキャリアを伸ばしやすい
- 「技師としてのアイデンティティ」が広がる
厚労省の研究事業報告でも、「業務拡大に取り組んだ施設の技師はモチベーションが大幅に向上した」と報告されています(出典:厚生労働行政推進調査事業「タスクシフト/シェア具体的方策とその効果」令和5年度)。技師のやりがいを広げる方向性として評価する声は多いです。
デメリット:責任増・給与据え置き問題
- 身体侵襲行為が増える=医療事故時のリスクが増える
- 静脈路確保失敗・神経損傷・血管痛など有害事象への責任懸念
- 業務量が増えても給与・手当はほぼ据え置きのケース多数
- 研修費用が自己負担になる施設もある(最大3万円)
- 本来業務(撮影・読影補助)を圧迫する懸念
SNSでは現役技師から「業務拡大で責任増えても基本給1円も変わらない」「同じ仕事量で給料変わらないのに侵襲行為が乗っかってくるのは違和感」「業務拡大手当って制度がある施設に転職したくなる」という不満の声が一定数あります。一方で「給料は変わらないけど、市場価値が上がるから転職時に活きる」と前向きに捉える声もあり、「短期の給与」と「中長期のキャリア」のどちらを重視するかで評価が分かれるのがリアルです。
給与のリアルは放射線技師の年収と給料が安いと言われる理由でも詳しく扱っています。
「やる施設」と「やらない施設」の二極化が進む
業務拡大に向いている技師・向いていない技師
すべての技師が積極的に業務拡大に飛び込む必要はありません。自分の特性と勤務環境を踏まえて判断できるよう、適性を整理しておきます。
向いている技師の特徴
- 1〜10年目の若手・中堅技師(スキル投資の効率が良い)
- 造影CT・MRI造影・PET-CTを主に担当している
- 大学病院・大規模病院・公的病院に勤務している
- 転職や認定資格取得に前向き
- 侵襲行為への抵抗感が比較的低い
該当する人は告示研修の早期受講+認定資格の組み合わせで、市場価値を一気に高めるチャンス。認定資格まとめもあわせて検討してみてください。
向いていない(無理しなくていい)技師の特徴
- 定年間近のベテラン(学習コストに対しリターンが限定的)
- クリニック・健診センター勤務(業務拡大の出番自体が少ない)
- 一般撮影中心の施設で勤務している
- 侵襲行為に強い抵抗感がある(メンタルへの負担大)
- 施設として実施方針がない・人員的にも難しい
SNSやQ&Aサイトでは、20年以上のベテラン技師から「今さら採血を覚える気力がない」「定年まで5年なのに侵襲行為のリスクは取りたくない」「若い世代に任せるのが自然」といった本音もよく見られます。これは決して怠慢ではなく、コスト・リスク・残りキャリアを冷静に計算した合理的な判断と言えます。
業務拡大とAI・将来性の関係|「拡大とAI代替」の二刀流時代へ


業務拡大の話をするときに必ずセットで考えたいのが「AIによる業務代替」の話。業務が増える方向(拡大)と、減る方向(AI代替)が同時に進んでいるのが今の放射線技師業界の特徴です。
減る業務と増える業務
| 方向 | 主な業務 |
|---|---|
| 増える業務(業務拡大) | 静脈路確保・造影剤投与・RI投与・抜針・出張超音波 |
| 減る業務(AI代替) | 画像処理・自動位置決め・読影補助・ノイズ除去 |
放射線技師の将来性をしっかり把握したい人は、放射線技師の仕事はAIで奪われる?と放射線技師の仕事はなくなるのかもあわせて読んでもらえると、業務拡大とAIをセットで理解できます。
学生・1年目向けQ&A|採血実習が不安なあなたへ
新カリキュラムの学生・1年目から多い質問を、データとリアルボイスでお答えします。
採血実習で患者さんに刺すのは怖いです
多くの養成校では、本物の患者さんに刺す前にシミュレーター(採血練習キット)で50〜100回以上練習するのが標準フロー。看護学生も同じ怖さを通る道で、看護師ブログでも「最初の1回は震えたが、数回目から落ち着いた」という声が共通しています(出典:Sensitiv「採血練習キット採用事例」、看護roo!「採血が怖くてできません」相談スレ等)。
怖いのは正常な反応です。シミュレーター練習+指導者のフォロー+少しずつの場数で必ず慣れます。1年目から採血を主担当に置く施設もまだ少数派なので、慌てなくて大丈夫です。
就職先で業務拡大やってないと損?
「やってない=損」とは限りません。実施率はまだ施設の2〜3割程度なので、新卒で「業務拡大対応の有無」だけで就職先を決める必要はないです。むしろ撮影スキル・読影補助・モダリティ経験を3〜5年積んでから動くほうが、市場価値の伸びは大きい傾向があります。
1年目の動き方は放射線技師1年目のリアルと放射線技師になるにはが参考になります。
放射線技師の業務拡大に関するよくある質問
Q. 放射線技師の業務拡大で増えた業務は何ですか?
2021年10月施行の改正診療放射線技師法で、①造影剤・RI検査のための静脈路確保と抜針、②RI医薬品注入装置の接続・操作、③動脈路への造影剤注入装置の接続・操作、④下部消化管検査の造影剤・空気の吸引、⑤上部消化管の鼻腔カテーテル挿入と抜去、⑥医師指示下での出張超音波検査の6業務が追加されました(厚生労働省告示第273号)。
Q. 業務拡大の業務をやるには告示研修が必須ですか?
2024年4月1日より前に免許を取得した技師は告示研修の修了が義務です。告示研修は基礎研修700分(e-ラーニング)と実技研修385分(会場型)で合計1,085分。修了せず実施すると違法になります。受講料はJART会員10,000円・非会員30,000円で、2026年3月末をもって受講終了予定です。
Q. 告示研修の修了率はどのくらいですか?
2024年12月31日時点でJART公表の数字は、申込者41,861名(73.6%)、基礎研修修了36,613名(64.4%)、実技研修修了29,934名(52.7%)です。母集団は厚労省「令和2年医療施設調査」の診療放射線技師数56,845名。法改正から3年経った時点でまだ約半数という状況です。
Q. 業務拡大で給料は上がるのですか?
残念ながら、現時点で「業務拡大手当」を整備している施設は限定的で、研修を受けて業務を実施しても給料が変わらないケースが多数です。一方で、市場価値(転職時の評価)は確実に上がっており、認定資格と組み合わせて中長期の年収アップにつなげている技師もいます。短期の給与アップを狙うより、キャリア戦略として捉えるのが現実的です。
Q. 学生で採血実習が必修なのが不安です。乗り越えられますか?
2022年4月以降の入学者は採血を含む静脈穿刺実習が必修です。多くの養成校でセンシティブ®等の採血練習キットを使い、シミュレーターで50〜100回以上練習してから実患者に進む流れになっています。看護学生も同じプロセスを通っており、SNSでも「最初は震えたが数回でマシになった」という声が共通。怖いのは正常な反応で、訓練設計で乗り越えられるよう作られています。
Q. ベテランで定年間近です。告示研修は受けるべき?
勤務先で業務拡大の業務を実施する方針がないなら、無理に受ける必要はありません。SNSでもベテラン技師から「定年まで5年なのにリスクは取りたくない」「若い世代に任せるのが自然」という合理的判断の声が多く見られます。ただし2026年3月末で受講終了予定なので、迷うなら早めに動いておくと「やる選択肢」を残せます。
Q. 業務拡大とAI代替は技師にとってどっちが大きい影響ですか?
同時並行で起きていて、両方とも影響大です。画像処理・自動位置決めなど技術系業務はAIに代替されつつある一方、静脈路確保や造影剤投与など「人にしかできない侵襲・対人業務」は業務拡大で増えています。AI代替への防御策として業務拡大の対応は有効で、両方を意識した「二刀流キャリア」が今後の技師に求められています。
まとめ|業務拡大は「対応する施設」と「自分の戦略」で決まる
放射線技師の業務拡大は、法律が変わった「だけ」ではなく、技師個人と施設のキャリア・体制設計の両方に影響する大きな変化です。最後にこの記事のポイントを整理しておきます。
- 2021年10月施行の改正法で6業務が追加(静脈路確保・造影剤・RI・消化管・出張超音波)
- 告示研修は基礎700分+実技385分の合計1,085分、2026年3月末で終了予定
- 実技研修修了率は52.7%(2024年12月時点)、半数程度がまだ未修了
- 業務として実施している施設は1〜3割程度、施設差が大きい
- 給与は据え置きが多いが、市場価値・キャリアの観点では中長期で効く
- 養成校は2022年入学者から採血実習が必修化、シミュレーターで対策
- AI代替と並行する「二刀流時代」の生き残り戦略として有効
大切なのは「全員がやらなければいけない」と思い込まないこと。自分の年代・勤務先・キャリアプランに照らして、受講するか・実施するか・転職時の判断材料にするかを冷静に決めるのが正解です。
「どう動くか迷うな…」という人は、まず技師のやりがいと辞めたくなる理由の両方を読んでみて、自分が大事にしたい軸を整理してみるのがオススメです。業務拡大はあくまで「働き方を選ぶための材料」のひとつ。数字と現場のリアルを知ったうえで、自分の戦略を決めるのが一番納得感のある進み方です。



業務拡大は「やる/やらない」を自分で選べる時代の入り口です。データを味方に、自分らしいキャリアの選択につなげていきましょう!






