しばいぬ放射線技師と臨床工学技士、どっちを目指せばいいか分からなくて…
こういったお悩みを解決します。
画像と放射線がメインのRT、生命維持装置と機器管理がメインのCE。年収はRTがやや上、国試難易度はほぼ同程度ですが、近年の法改正で業務範囲が一部重なり始めています。
この記事でわかること
- RTとCEの仕事内容・業務独占の決定的な違い
- 令和6年賃金統計と最新国試データに基づく年収・難易度の比較
- 血管造影室や手術室で実際に同室業務している現場のリアル



現役11年目の放射線技師が、厚労省の公的データと血管造影室での現場経験を並列で比較していきます!
結論|放射線技師と臨床工学技士、タイプ別おすすめ早見表
先に答えだけ言うと、選び方の軸は「画像・放射線が好きならRT」「機械・電気・生命維持装置が好きならCE」のシンプルな話に落ち着きます。年収や合格率は近接していて、決め手にしづらいというのが正直な印象です。
| 項目 | 放射線技師(RT) | 臨床工学技士(CE) |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約549.85万円 | 約454.2万円 |
| 直近の国試合格率 | 76.2%(第78回・2026年) | 65.7%(第39回・2026年) |
| 業務領域の中心 | 画像検査・放射線治療 | 透析・人工心肺・機器管理 |
| 業務独占 | 放射線の人体照射 | 生命維持装置の操作 |
| 主な勤務先 | 病院・健診センター・クリニック | 病院・透析クリニック・医療機器メーカー |
- 画像診断や放射線治療など「目に見える成果」に関心がある人 → RTが向きやすい
- 機械いじり・電子工作・生命維持装置のような「機械を動かす職人芸」に惹かれる人 → CEが向きやすい
- 救急・夜間対応も含めたチーム医療の最前線で動きたい人 → どちらも適性あり(RT当直 / CEオンコール)



正直、進路相談で「迷ってます」って言ってる時点で、両方の仕事内容をまだ知らないだけかも?



そうなんですよね。RT・CEともに養成校卒業後も学び続けることが前提の職業なので、進路ガイドや養成校パンフレットでも「適性で選ぶほうが続けやすい」と整理されることが多いです。
偏差値や年収だけで決めると、入学後に「思ってた仕事と違った」とギャップに苦しむケースもあるので、まずは仕事内容のイメージを固めることをおすすめします。
仕事内容の違い|画像と放射線 vs 生命維持装置


RTとCEは「医療技術職」というくくりは同じですが、扱う道具と対象がはっきり違います。RTは放射線を使って体の中を画像化したり治療したりする仕事、CEは生命維持装置を操作したり院内の医療機器を管理したりする仕事、と言い換えると分かりやすいです。
どちらも「医師の指示の下で患者さんに直接関わる」点では共通ですが、関わり方の温度感が違います。RTは検査ごとに数分〜十数分の関わりが連続するスタイル、CEは透析4時間や手術中ずっと装置に張り付くスタイルが多く、1人の患者さんと過ごす時間の長さがかなり違ってきます。
RTの3つの主要業務|画像検査・放射線治療・核医学
RTの仕事は大きく3本柱で構成されています。
- 画像検査: 一般撮影・CT・MRI・血管造影・マンモグラフィなど
- 放射線治療: がん患者へのリニアック治療や小線源治療
- 核医学: PET-CTやSPECTなど、放射性医薬品を使った検査
このうちMRIは放射線を使わない検査ですが、伝統的にRTが担当するモダリティとして扱われています。各業務の詳細は放射線技師の仕事内容まとめや、モダリティ別の解説(CT/MRI/血管造影/放射線治療)に整理しています。
RTのメリットとして語られやすいのは「検査領域の幅広さ」です。CT・MRI・X線・血管造影・治療・核医学と、扱うモダリティが多いので、自分の得意領域を選んで掘り下げていくキャリア設計がしやすい職種という印象があります。一方で、検査が立て込む時間帯は機械的なルーチン作業が続くことも多く、想像していたより体力勝負な部分があるという声も現場ではよく耳にします。
CEの3つの主要業務|透析・人工心肺/呼吸器・機器管理
CEもまた、職場によって主軸が違うものの、代表的には以下3つに分かれます。
- 血液浄化(透析): 透析室での装置操作・回路設定・穿刺などの治療補助
- 人工心肺・人工呼吸器: 心臓外科手術での体外循環や、ICUでの人工呼吸管理
- 医療機器管理(ME業務): 院内で使われる輸液ポンプ・除細動器などの保守点検
透析クリニックに就職するCEもいれば、総合病院で手術室・ICU・カテ室をまたいで動くCEもいて、勤務先によって業務の比重がかなり変わってくる職種という印象です。
たとえば透析クリニックでのCEは、決まった時間に透析を回す業務がメインで、夜間呼び出しが少ない代わりに穿刺技術や患者対応の比重が高くなります。一方、総合病院のCEは「今日は心カテ、明日は人工心肺、その次は機器ラウンド」と日替わりで現場が変わるため、装置に対する深い理解と臨機応変さが求められやすい働き方になります。
業務独占の違い|放射線使用 vs 生命維持装置操作
「業務独占」とは、その資格を持つ人だけが業として行ってよい行為のこと。RTは医師の指示の下で人体への放射線照射を独占的に行え、CEは医師の指示の下で生命維持装置の操作を独占的に行えます。両職種とも医師の指示が前提という点は共通です。
| 項目 | 放射線技師(RT) | 臨床工学技士(CE) |
|---|---|---|
| 業務独占の中核 | 放射線の人体照射 | 生命維持装置の操作 |
| 代表的な装置 | X線・CT・MRI・リニアック | 透析装置・人工心肺・人工呼吸器 |
| 独占の根拠法 | 診療放射線技師法 | 臨床工学技士法 |
| 医師の指示 | 必須 | 必須 |
就職先の幅という意味では、RTが病院・健診センター・クリニックに集中するのに対して、CEは病院に加えて透析クリニックや医療機器メーカー・医療機器商社まで含めた選択肢があり、CEのほうがやや広がりつつあるという見方もできます。
業務範囲の重なり・違い|血管造影室と手術室の現場リアル


もともとRTとCEは「画像系」と「機器系」で住み分けてきましたが、令和3年(2021年)公布の医療法等改正(タスク・シフト/シェア関連)以降、両職種の業務範囲が一部重なり始めています。特に血管造影室や手術室では、RTとCEが同じ部屋で同じ患者さんに対応する場面が増えてきました。
2021年医療法等改正で広がったRT/CEの業務範囲
令和3年5月28日に公布された「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(いわゆる医療法等改正)に基づき、RTに造影剤投与のための静脈路確保やRI検査の静脈路確保など6業務、CEに手術室での静脈路確保や輸液ポンプ操作など6業務が追加されました(厚生労働省「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェア」別添3)。
- RT追加6業務: 造影剤の血管内投与、RI検査の静脈路確保、下部消化管検査時のカテーテル挿入など
- CE追加業務: 手術室での静脈路確保・輸液ポンプ操作、心・血管カテーテル治療における操作補助など
- いずれも厚生労働大臣指定の告示研修受講が必須(公益社団法人日本臨床工学技士会「臨床工学技士の業務範囲追加に伴う厚生労働大臣指定研修」より)
RT側の追加業務の中身(採血実習の必修化など)は、放射線技師の業務拡大・タスクシフトまとめにも整理しています。
血管造影室・手術室での同室業務|役割分担の実例
血管造影室では、医師が手技を行い、看護師が患者管理を担当する横で、RTが透視・撮影機器を、CEがアブレーション装置やポリグラフを操作する、という分担になっている病院が多い印象です。アブレーション(不整脈治療)やIVR治療では、誰か1人でも欠けると手技が回らないので、お互いの動きを把握しておくことが現場では大切になってきます。
- 血管造影室(カテ室): 心臓カテーテル検査・治療、脳血管IVR、不整脈アブレーションなど
- 手術室: 整形外科の透視下手術、心臓外科の人工心肺操作(CE)+ ポータブル撮影(RT)
- ハイブリッド手術室: 外科手術と血管造影を同時に行う部屋。RTとCEがチームで対応
重なる領域(IVR・アブレーション)vs 独立領域(透析・放射線治療)
| 領域 | RTの関与 | CEの関与 |
|---|---|---|
| IVR(血管内治療) | ◎ 透視・撮影 | ◯ 補助機器操作 |
| アブレーション | ◯ 透視操作 | ◎ ポリグラフ操作 |
| 手術室の透視下手術 | ◎ ポータブル/Cアーム | △ 機器準備 |
| 血液透析 | 原則関与しない | ◎ 中心業務 |
| 放射線治療 | ◎ 照射・治療計画 | 原則関与しない |
| 人工心肺 | 原則関与しない | ◎ 中心業務 |
「IVR・アブレーション・心臓外科手術」あたりはRT/CEが共存する領域で、「透析・放射線治療」は完全に住み分けられている領域、と整理しておくと進路選びの解像度が上がりやすいです。
もう1点押さえておきたいのが、両職種の業務拡大は「医師の働き方改革」とセットで進んでいる点です。医師1人あたりの労働時間を減らすために、RTやCEへ任せられる業務を増やしていく流れになっており、今後も法改正や告示研修の追加で担当領域が広がる可能性があります。長期的には「単に検査するだけ・装置を動かすだけ」では収まらない仕事へ拡張していく可能性が高いと見られています。



RT・CEとも、今後は「医師の判断を待たずに動ける範囲」が少しずつ広がっていく方向で議論されています。
なる方法・学校・偏差値の比較
進路としては、両職種とも「3〜4年制の養成校で必要科目を学んで国家試験を受ける」という流れは共通です。ただ、養成校の数や偏差値帯はやや違います。
養成校の選択肢|CEのほうがやや多い傾向
RT・CEとも全国に複数の養成校があり、4年制大学と3年制専門学校が中心です。CEには加えて2年制の専攻科ルート(看護師・臨床検査技師など他資格者向け)も用意されており、学校選びの選択肢としてはCEのほうがやや幅広い傾向があります。地元から通える学校が見つかりやすいのもCE側、という印象です。
| 項目 | 放射線技師(RT) | 臨床工学技士(CE) |
|---|---|---|
| 4年制大学 | あり(30校以上) | あり(20校以上) |
| 3年制専門学校 | あり(多数) | あり(多数) |
| 2年制専攻科 | なし | あり(看護師・MT等の有資格者向け) |
| 選択肢の広さ | 標準的 | やや広い傾向 |
修業年限と取得ルート(大学 vs 専門学校)
- RT: 4年制大学/3年制専門学校の2ルートが中心。4年制では学士が取れる
- CE: 4年制大学/3年制専門学校/2年制専攻科(看護師・臨床検査技師等の有資格者向け)の3ルート
- どちらも国家試験の受験資格を得るには指定養成校の卒業が必要
偏差値帯(RT 50〜60/CE 45〜55)
偏差値帯は学校により幅がありますが、ざっくりRTが偏差値50〜60帯、CEが45〜55帯にまとまっている印象です。RTのほうが入学難易度はやや高めとされる傾向があります。
ただし偏差値はあくまで「合格しやすさの目安」で、入学後の勉強の重さとは別問題です。RTは放射線物理・画像工学が苦手だと国試の山を越えにくく、CEは医用電気電子工学・生体機能代行装置学で苦戦する人が一定数いるとされます。偏差値で選ぶより、苦手科目との相性で選ぶ方が後悔が少なくなる選択肢の1つです。
国家試験の難易度比較|合格率・科目・5年平均
国試の難しさは「合格率」と「出題科目の幅」の両面から見るのが安全です。直近の合格率はRT約76%・CE約66%でCEが低めですが、過去10年の平均ではほぼ同程度。トレンドだけ見るとCEの難化が話題になっています。
第78回RT国試(76.2%)と第38/39回CE国試(78.9%/65.7%)
第78回診療放射線技師国家試験(厚生労働省「第78回診療放射線技師国家試験の合格発表について」2026年3月)では、受験者3,506人・合格者2,670人で合格率76.2%(新卒83.8%・既卒20.1%)でした。一方、第38回臨床工学技士国家試験は受験2,598人で合格率78.9%、第39回(2026年)は受験2,396人で合格率65.7%(厚生労働省「第38・39回臨床工学技士国家試験の合格発表について」)と、CE側は連続で8割を割り込んでいます。
過去10年の合格率推移と難化トレンド
| 項目 | 放射線技師(RT) | 臨床工学技士(CE) |
|---|---|---|
| 過去10年の合格率レンジ | 76.2〜87.0% | 65.7〜85.4% |
| 過去10年の平均 | 約82%前後 | 約78%前後 |
| 直近のトレンド | 横ばい | 2年連続で8割割れ |
CE国試は第38回(合格率78.9%)・第39回(65.7%)と2年連続で8割を割り込んでおり(厚生労働省発表値)、出題範囲の広さに対する対策のしづらさが指摘されています。
出題科目の違い(RT放射線物理 vs CE工学・生体機能)
- RT国試の特徴科目: 放射線物理、放射線化学、放射線生物、画像工学、医用画像情報、放射線治療技術学など
- CE国試の特徴科目: 医用電気電子工学、医用機械工学、生体物性、生体機能代行装置学、医用治療機器学など
- 共通項目: 解剖学・生理学・病理学・関係法規など医療系の基礎
RT国試は「放射線」関連の物理・化学・生物・治療系の重みが大きく、CE国試は「電気・機械・生体機能」の比重が大きいのが大きな違いです。物理が苦手だと両方とも厳しいのですが、苦手の方向で言うと「電磁気・量子論で詰まりやすい人はRT寄り」「電気回路・機械力学で詰まりやすい人はCE寄り」という傾向があります。
年収・給料の比較|公的データで見るリアル


年収はRTがやや上に位置するというのが、令和6年の公的統計から見える傾向です。ただ、CE側もキャリアの組み方次第ではRT並み・それ以上の年収にたどり着くケースが報告されています。
平均年収はRTが約95万円高い|放射線業務手当の存在
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」職種別第1表(2025年3月公表)によると、診療放射線技師(一般労働者)の平均年収は約549.85万円(月給37.56万円・賞与99.13万円・平均年齢41.1歳・勤続13.3年)。一方、臨床工学技士は厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」(賃金構造基本統計調査ベース)で平均年収約454.2万円(平均年齢37.6歳)と報告されています。
差額にして約95万円。RT側は被ばくリスクに対する放射線業務手当(特殊勤務手当)が支給される医療機関が多いことが、年収を押し上げている要因の1つと考えられます。手当の金額や支給有無は施設ごとに差がある点に留意が必要です。
RT平均549.85万円・CE平均454.2万円。差は確かにありますが、これは「全国平均値」で、勤務先や年代でかなり振れ幅があります。RTでもクリニック勤務で400万円台、CEでも大学病院や透析クリニック幹部クラスで600万円台、というケースは現場感覚として珍しくありません。
男女別・年代別・勤務先別の差
- 勤務先別: RTは大学病院・公的病院・健診センターで高め、クリニックでは低め。CEは大学病院・透析クリニックで高め
- 年代別: RTは40代で年収のピークを迎えることが多い印象。CEは病院では45歳前後で頭打ちになる傾向
- 男女別: RT・CEとも男女差は大きくないが、夜間業務手当の差で男性が若干高めになるケースもある
CEのキャリア(メーカー転職で年収逆転も)
CEのキャリアパスで特徴的なのは、医療機器メーカーへの転職という選択肢が比較的明確に存在する点です。医療機器メーカー側は経験者採用で年収レンジを上げる傾向があり、病院給与の頭打ちラインを超えるケースも報告されています。RT側も医療機器メーカー転職は選択肢として存在するものの、装置運用の知識がそのまま活きるという意味ではCEのほうが直結しやすい印象です。
つまり「病院内での生涯賃金」だけ見るとRTが優位、「キャリア選択肢の出口を含めた生涯賃金」で見るとCEが追い上げる構図になりやすい、ということです。学生のうちから「卒業後の年収だけで決めない」視点を持っておくと、進路の選択肢が広がります。
働き方・当直・オンコールの比較
働き方の質的な違いとしてよく話題になるのが「RTは当直、CEはオンコール」という対比です。どちらも夜間・休日対応はあるものの、生活の自由度に与える影響はかなり違ってくるという印象です。
RTの当直(病院内泊・夜間救急対応)
RTの当直は、病院に泊まり込んで夜間救急の撮影に対応する形が一般的です。1人当直の病院もあれば、2人当直の病院もあり、規模と救急の入電数で形態が変わります。当直の翌日は休みになる施設と、そのまま日勤になる施設があり、ここは病院ごとの差が大きい部分です。
CEのオンコール(自宅待機・透析緊急呼び出し)
CEは病院に泊まるというより、自宅で待機して呼び出しがあれば駆けつけるオンコール体制が多いとされます。透析・心カテ・手術対応・機器管理を1人で担う総合病院では、自宅待機といっても飲酒や遠出が制限され、家庭時間が削られやすい側面があるという声もあります。頻度は施設や担当領域によって幅があるため、就職前に確認しておきたい項目の1つです。
| 項目 | RTの当直 | CEのオンコール |
|---|---|---|
| 場所 | 病院内に宿泊 | 自宅で待機 |
| 頻度の目安 | 施設により幅あり(月数回程度) | 施設により幅あり(月数回程度) |
| 翌日の扱い | 休み or 日勤(病院による) | 原則そのまま日勤 |
| 家庭への影響 | 当日は不在 | 自宅にいるが、呼ばれると即出動 |
- RT: 当直回数が多い病院では生活リズムが崩れやすく、家族との時間が取りにくい
- CE: オンコール待機中の飲酒・遠出が制限され、休日の自由度が下がりやすい
- 双方とも、夜間呼び出しの頻度は院内の救急の入り方しだいで日々変動する
働き方を選ぶうえで見落とされやすいのが、「家族からどう見えるか」という観点です。RTの当直は「今日は不在」と分かりやすいですが、CEのオンコールは「自宅にいるけど呼ばれたら出ていく」状態なので、家族側からすると気を遣いやすいともいわれます。結婚後の働き方まで含めて考えるなら、勤務先のオンコール頻度は事前に確認しておきたい項目です。
当直やオンコールの負担は、職場によって大きく変わります。クリニック・健診センター・公務員系・大学病院など、働き方の質が違う選択肢を一度眺めてみるだけでも「自分が許容できる働き方」の輪郭が見えてきます。すぐ転職するつもりがなくても、判断材料として求人を覗いておくのは悪くない選択です。
将来性・AI・タスクシフトの比較
AIによる仕事の置き換え不安は、医療技術職全体で話題に上がるテーマです。RT・CEとも「単純作業の一部はAIに代替される可能性があるが、職種全体ではタスクシフトで業務範囲が広がっている」というのが2026年時点の現実的な見方です。
RTの将来性|AI画像診断との共存・治療系のニーズ
画像診断AIは年々精度が向上していますが、最終診断は医師、撮影と画像処理はRTという役割分担はしばらく維持されると考えられます。むしろ、放射線治療や核医学、IVRなど、医師とのチーム医療が必須の領域はAIで置き換えにくいので、RTのニーズはこの先も残りやすい領域として注目されています。
CEの将来性|在宅医療・手術支援ロボット時代の役割
CE側は、在宅透析の普及や手術支援ロボット(ダビンチ等)の運用、心臓カテーテル治療の高度化により、活躍の場が広がる可能性があります。「装置が増えるほど運用する人材が必要」という構造上、機器管理ニーズは中長期で増加する見通しという見方が一般的です。
特に手術支援ロボットの運用は、装置メーカーの認定資格を持つCEが立ち会うケースが増えており、「医師+看護師+CE」のチームで手術が回る病院が珍しくなくなってきました。症例数の伸びが指摘される領域とされており、若手CEにとっては早期から専門領域に入りやすいタイミングという見方もあります。
双方ともタスクシフトで業務拡大中
- RT: 画像診断AI共存/放射線治療・核医学のニーズ増/タスクシフトで採血・静脈路確保まで担当範囲拡大
- CE: 在宅透析や手術支援ロボットで活躍領域拡大/医療機器メーカー転職も視野/タスクシフトで手術室・カテ室での裁量増
- 共通: 厚労省告示研修の修了で業務範囲が広がるため、若手のうちから研修参加が前向きな選択肢になりやすい
向いている人・タイプ別チェック
RTとCEは、どちらも「ガチな機械好き」が活きる職種ですが、興味の方向はちょっと違います。自分の興味がどちらに寄っているかを言葉にしておくと、入学後のギャップを減らしやすくなります。
RTに向いている人の特徴
- 画像(CT・MRI・X線)を見るのが好き、解剖が得意
- 放射線物理や物理の勉強に抵抗がない
- がん治療など「目に見える成果」のある領域に関心がある
- 当直勤務に大きな抵抗がない
- 患者さんと短時間でコミュニケーションを取るのが苦じゃない
CEに向いている人の特徴
- 機械いじり・電子工作・プログラミングなど工学系の趣味がある
- 故障原因を追跡してトラブル解決するのが楽しい
- 透析や心臓外科手術といった「命に直結する装置」を扱うことに前向き
- 自宅オンコール待機が苦にならない
- 医療機器メーカー転職などキャリアの選択肢を広げたい
両方迷ったら見るべき判断軸



うーん、両方ちょっとずつ当てはまる気もする…



そういう時は「物理の勉強が嫌じゃないか」「機械の分解や装置のトラブル対応が好きか」の2軸で考えると整理しやすいですよ。前者ならRT寄り、後者ならCE寄りで判断する感じです。
もう1つの判断軸として「人とどれくらい関わりたいか」も役立ちます。RTは検査ごとに患者さんが入れ替わるので、短時間の接遇が多くなりやすく、CEは透析や手術で長時間同じ患者さんに付き添うので、深い関わりが多くなる傾向があります。「広く浅く」が好きならRT寄り、「狭く深く」が好きならCE寄り、という見方もできます。
ダブルライセンス・転職可能性
「両方の資格を持っておくと最強なのでは?」という疑問が出やすい話題ですが、現実的にはダブルライセンスを目指すより、片方を極めてからキャリアを広げる方が一般的とされています。
RT⇄CEの相互転職は可能か
RTとCEは別資格なので、「RTからCEになる」場合は再度CE養成校に通って国試に合格する必要があります。社会人経由でCE2年制専攻科に進む人もいますが、RTからの直行ルートは現状なし。逆にCEからRTも同様に再就学が必要です。
共通するキャリアパス(医療機器メーカー)
共通の出口として大きいのが、医療機器メーカーへの転職です。RT・CEとも、装置のアプリケーションスペシャリストやセールスエンジニアとして採用されるルートがあり、メーカー側も病院での実務経験者を歓迎する傾向があります。
- RT: CT・MRIメーカーのアプリケーション、放射線治療装置の臨床サポート、画像診断AIベンダーの臨床アドバイザーなど
- CE: 透析装置・人工心肺・手術支援ロボットのフィールドエンジニア、医療機器商社の技術営業、メーカーの研究開発職など
- 共通: 病院での装置運用経験は、メーカー側の教育コストを下げるため即戦力扱いされやすい
ダブルライセンスにこだわるよりも、片方の資格に上乗せする「認定資格」を狙うほうが現実的とされることが多いです。RTなら検診マンモグラフィ撮影認定資格・X線CT認定技師・放射線治療専門技師など、CEなら透析技術認定士・体外循環技術認定士・医療機器情報コミュニケータなど、専門性を証明する道が用意されています。
メーカー転職や認定資格を視野に入れるなら、まず「今の自分の市場価値」を知るところから始めるのが近道です。求人を眺めるだけでも、放射線業務手当が手厚い職場・AI画像診断に取り組む病院・治療系に強い施設など、自分の知らない選択肢の広さに気づけます。すぐ転職するつもりがなくても、判断材料として情報だけ集めておくのもアリです。
よくある質問
まとめ|年収・難易度よりも「毎日やる仕事」で選ぼう
RTとCEはどちらも医療チームに不可欠な技術職で、年収・国試難易度の差はそこまで大きくありません。決め手になるのは「毎日扱う対象が画像・放射線か、生命維持装置・機械か」というシンプルな興味の方向です。
厚労省データの数字も判断材料になりますが、進路を選ぶときに見落とせないのが「卒業後40年付き合う仕事に飽きない自分」を想像できるか、という視点です。物理と画像が好きならRT、機械いじりと装置運用が好きならCEで、後悔の少ない選択肢になりやすいです。
- RTを目指すなら: 物理・画像処理の勉強に抵抗がないか/放射線業務手当ありの当直に向き合えるか
- CEを目指すなら: 機械分解や電子回路に興味があるか/オンコール待機の生活を許容できるか
- どちらも難しいと感じたら: 看護師・臨床検査技師・薬剤師など他の医療技術職も候補に入れる選択肢あり



気になる側のオープンキャンパスや病院見学に行ってみると、自分との相性が見えやすくなりますよ。進路全体は放射線技師になるにはもあわせてどうぞ!
出典・参考
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種別第1表(2025年3月公表、URL、2026-05-09取得)
- 厚生労働省 職業情報提供サイト「job tag」臨床工学技士(URL、2026-05-09取得)
- 厚生労働省「第78回診療放射線技師国家試験の合格発表について」(2026-03-23、URL、2026-05-09取得)
- 厚生労働省「第38回臨床工学技士国家試験の合格発表について」(2025-03-26、URL、2026-05-09取得)
- 厚生労働省「第39回臨床工学技士国家試験の合格発表について」(2026-03-26、URL、2026-05-09取得)
- e-Gov法令検索「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(令和3年5月28日公布、URL、2026-05-09取得)
- 資格・検定の森「診療放射線技師国家試験 過去合格率」(厚労省発表値の集計、URL、2026-05-09取得)
- 厚生労働省「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェア」別添3(URL、2026-05-09取得)
- 公益社団法人 日本臨床工学技士会「臨床工学技士の業務範囲追加に伴う厚生労働大臣指定研修」(URL、2026-05-09取得)
- kairi 既存記事「放射線技師の業務拡大・タスクシフト」(URL、2026-05-09取得)






